平成ウルトラマンの物語

ウルトラマンガイア


 平成ウルトラマンの第3作、ウルトラマンガイアは、ティガ,ダイナともまた違う、新たな世界を舞台にして展開された。かなり未来的な雰囲気のあった前2作と異なり、限りなく我々の世界に近いという設定の下、宇宙由来ではなく、地球によって生み出された2人のウルトラマンが、謎の「根源的破滅招来体」を迎え撃つ。
 歴史的事実を中心に書いたティガ・ダイナ編とは異なり、この作品は、ストーリーをもうちょっと細かく紹介したい。なお、ティガ・ダイナ編では、がんばって年代順に事件を並べたが、今回はあまりに複雑で、かえって厳密に並べると混乱するので、年代順が逆転したりもする。ご了承を。


アルケミースターズ
 1980年代初頭、地球の各地で、なぜか超天才達が多く誕生した。彼らは成長し、若くして各国の大学や研究機関で最先端の研究をするようになる。やがて彼らはネット通信で互いに交流を深めていき、そして、超天才少年達による研究集団、「アルケミースターズ」が発足した。
 アルケミースターズは、次世代のコンピューターである光量子コンピューターの開発に着手した。その中心的メンバーの中には、一人で数多くの工学特許を取った、特に能力の高い、藤宮博也と言う日本人青年がいた。彼を中心として研究は進み、ついに、ガイアの物語の4年前、1996年に光量子コンピューター「クリシス」が完成した。
 起動したクリシスに、アルケミースターズは、地球の未来を予測させる。その結果は驚くべきものだった。「根源的破滅招来体」による、近い将来の「地球の破滅」。
 アルケミースターズは、破滅を避けるための対策を練り始める。約一年後、日本人の学生、高山我夢が、新たにアルケミースターズに加入する。だが一方その頃、藤宮博也は謎の脱退をとげる。

 根源的破滅招来体に対処するために、アルケミースターズは各国首脳に、国家の枠組みを超えた組織の設立を提案。それに従って、防衛組織「GUARD」が秘密裏に組織され、各国に極秘のうちに調査・研究施設が作られた。そしてまた、GUARDの中でも特にエキスパートを集めた、特捜チーム「XIG」が設立された。アルケミースターズの提供する技術によって、XIGの基地、巨大な空中要塞エリアルベースが建造された。人類は着々と、破滅招来体の来る時に備えていた。

地球の光
 アルケミースターズは、みんながみんな一個所に集まって研究しているわけではない。通信が発達したため、多くのメンバーは普段はそれぞれの生活をしており、研究結果を伝え合っているのだ。
 西暦2000年のある日、高山我夢は大学の実験室で、粒子加速器の実験をしていた。その最中、不思議な世界へと意識が飛ばされた我夢は、そこで、赤い光の巨人と遭遇し、それが、地球を守る物だと感じ取る。

 数時間後、東京上空にワームホール(宇宙のはるか遠くに通じるワープホールみたいな物)が出現、怪獣コッヴが送り込まれてきた。ついに破滅招来体の進攻が始まったのである。XIGが初めて出撃するも、怪獣にはかなわない。地上でそれを見ていた我夢は、突然地面から発せられた光に包まれ、その中で再び赤い巨人に遭遇する。我夢は、地球を守るために、その力を強く欲した。すると赤い巨人は我夢に同化、次の瞬間、我夢は赤い巨人となって怪獣の前に立っていた。ウルトラマンガイアの誕生である。
 コッヴを下したガイア。我夢が元の姿に戻ると、目の前にはウルトラマンの力が結集した小さな赤い光の粒が浮いていた。我夢はそれを実験用の試験管の中に捕らえた。以後、その光の力を開放する事によって変身できるようになる(専用の入れ物=変身アイテムエスプレンダーも後に自分で作った)。
 謎の巨人出現ポイントに調査に来たXIGと我夢は知り合い、我夢はXIGに入隊し協力する事を願い出て、主に調査・分析を担当する隊員として採用されたのだった。

ガイアの敵とは?
 さて、根源的破滅招来体とは、一体何なのだろうか?結論から言うと、よくわからない。当初は漠然とした「破滅」という概念で捕らえられていたのだが、やがて、地球を破滅させようと言う「意思」を持った、なんらかのものであると言う事がわかってくる。しかしそれに実体があるのかどうかも定かではない。ワームホールを作り出すほどの強大な力を持ってはいるが、正体は不明のものなのである。

 ガイアの戦う相手は、大きく分けると三種類と考えられる。(区分外もいるが)
 まずは、ワームホールを通じて地球に送り込まれる、宇宙怪獣。当初は根源的破滅招来体によって操られていると思われていたが、やがて、確かに送り込んだのは破滅招来体だが、その後は、ただ自分の生活環境とは違う場所に来た事に戸惑い本能的に暴れているだけであるらしいということが判明する。
 次に、地球由来の怪獣。地中に眠っていたが、環境を破壊する人間に警鐘を鳴らすためや、その他いろいろな(これが話の重要な要素)理由で目を覚ましてくる。他に、ずばり環境汚染のために動物が怪獣化してしまったものもあった。
 最後に、破滅招来体によって生み出されたと思われる怪獣や魔人の類。明確に地球を滅亡させる意志を持っていると思われる。初期〜中盤では、人の精神やコンピューターに取り付いて、人類やウルトラマンについての情報を得ようとしていたものが目立った。終盤では、高度な知性と強大な破壊力を持った、破滅魔人と呼ばれるものが度々出現する。

 この三種類のうち、前の二種は、どれも訳ありで暴れていて、本質的にはただの生物なのだから、ただ倒せば良いのか、その命を勝手に左右する権利なんて人間にはあるのかといった、複雑な話が展開されていくのである。

2人のウルトラマン
 戦いの中ピンチに陥ったガイアを救った青いウルトラマン。それこそ、藤宮博也の変身する、ウルトラマンアグルであった。

 4年前、クリシスの出した「地球の破滅」という答えを変えられはしないかと、藤宮は研究を重ねていた。当時から人類による環境破壊の問題などは騒がれていたわけで、ふと藤宮は、地球の構成要素から人類を取り除いて、クリシスに地球の未来を予測させた。その結果、破滅を免れると言う答えが返ってきたのである。
 藤宮はどうすればよいのかわからなくなった。しかしGUARDを結成すると言うアルケミースターズの方針にはとても同調できず脱退、自ら持つ研究施設プロノーン・カラモスにこもり、独自の対策研究にとりかかる。
 藤宮を追ってきた、一人の研究者がいた。稲森京子、彼女はアルケミースターズではないがその協力者として研究をしていた。以前から藤宮の物事への考え方に共感していた彼女は、藤宮の研究に協力する事となる。
 しかし研究を重ねても、やはり人類をどうにかする以外に道は開けてこない。考えが行き詰まった藤宮は、ふと引かれるように施設内の実験用水槽に飛び込んだ。その奥深くで、彼は地球から発せられた青い光を受けたのである。彼はアグルの力を得て、そして研究施設をも去って行った。

 そして、ガイアの前に現れたアグル。最初こそガイアを助けたものの、必ずしもガイアの味方ではなかった。藤宮が考えた末に出した行動方針は、はっきり言って、いまいちつかみ切れない。最終的には人類の滅亡と、それによる人類以外の地球の生命の存続を望んでいるようであり、破滅招来体によって現れる宇宙怪獣は、人類以外も破滅せしめるので、倒す。しかし、地球怪獣が暴れた場合は、それもまた地球の生態系の中での営みあるいは人類の行ってきた愚行の結果として、手出しはしない。結果人類が滅べば良い、といったものであるらしい。人類の存続は視野に入れていないので、宇宙怪獣との戦いの中でも、巻き込まれる人の事を考えない強行な攻撃をしたりして、ガイアと対立する。

 だがそんな藤宮にも、心の中にはまだ迷いがあったようだ。だいたいこうゆうタイプって、一人で突っぱねているようで実は誰かにその心のうちを聞いてもらいたいもの。KCBテレビの番組でガイアの事を「人類を救う救世主」的な表現をした、KCBで人気の女子アナ、吉井玲子の前に現れた藤宮は、ウルトラマンは人類のための存在ではないと言う。その後もいろいろな事件で、数奇な運命から玲子に会う藤宮は、段々いろいろな事を喋っていく。「人間は地球にとって必要ない」「滅亡すべきなのだ」といった感じで。
 いつしか、藤宮がアグルであると言う事を感じ取っていった玲子は、一人の普通の人間として、素直な感情で藤宮に言い返す。「なにわかったように偉そうな事言ってるのよ!あなただって人間でしょ。人間の滅亡を願ってどうするのよ!」といった具合で。
 そんな玲子の言葉に心がわずかに揺れる藤宮であったが、それを振り切るかのように、段々行動が激化していく。人類の砦エリアルベースに侵入し破壊を試み、ついにガイアと対決したこともあった。しかし、ある戦いにおいて、怪獣の攻撃による落下物の下敷きになりそうになった少女を、藤宮は本能的に救ってしまう。考えに反する自分の行動に対し、さらに藤宮は悩むのである。

ヴァージョンアップ
 ある日出現した地球怪獣ゴメノスに対し、XIGは怪獣を操る装置を埋め込んだが、何者かによって機械がジャックされ、人間に対し進攻を始めた。
 我夢が犯人を追った先にいたのは、稲森京子であった。彼女は、地球の環境問題よりも破滅招来体との戦いを優先させる人類を目覚めさせるために、地球怪獣の脅威を見せようとしていたのだ。そしてそれは、いつしか想いを寄せていた藤宮に、これ以上暴走せず、笑顔を見せて欲しいとの想いからの行動であった。

 しかし、怪獣の力は開発陣の計算以上の物で、制御は振り切られ、怒った怪獣の攻撃で逆に稲森博士は死んでしまった。その亡骸を前に絶叫する藤宮。
 稲森博士の死は、藤宮を暴走させる事となる。人類を一気に一掃すべく、世界各地でアグルは、眠っている地球怪獣にエネルギーを送り込み呼び覚ましていく。しかしエネルギーの使い過ぎで、藤宮の体はフラフラに。すでにアグルの正体は藤宮だと推定していたXIGが彼を追うが、それに対し藤宮をかばったのが玲子であった。玲子は藤宮を病院で休ませるが、しかしその病院の近くで、アグルが送っていたエネルギーにより怪獣が出現してしまう。人々を放っておいて立ち去ろうとする藤宮だが、目の中に入ってきたのは、おびえながらウルトラマンの登場を祈る幼い少女の姿。玲子が言い放つ。「地球だけを救いたいんでしょ。早く行きなさいよ。」
 その言の通り、放って行こうとしても、やはり藤宮も人間。少女を見捨てられず、結局アグルとなって、自ら呼び起こした怪獣を倒してしまう。

 玲子は力を消費して倒れた藤宮をXIGからかくまって逃避行を始める。だがその最中で、藤宮はまたも心無い人間(バカな若者)の乱暴を受け、人間への憎しみを増大させる。しかしそれでも、玲子は、人間を信じるように説得する。
 海岸に辿り着いた二人。藤宮は玲子に、海を冒険したかったという自分の夢を語る。藤宮が心を開き始めたかと思われた時、そこに我夢が現れる。来てしまった対決の時、玲子が必死で止めるも、二人のウルトラマンは激闘を繰り広げる。両者が必殺技を放つ。その時生じたエネルギーが、天空に吸収されるのを、XIGの石室コマンダーは気付いた。
 両者はエネルギーを使い果たし人間に戻った。藤宮は姿を消し、そして我夢は、ガイア消滅地点に駆けつけた石室コマンダーによって介抱される(ここで石室はガイア=我夢と言う事に気付くのだけど、すごく物事がわかる人でこの後ずっとそれを黙っている)。

 直後、光量子コンピュータークリシスが突然暴走する。アルケミースターズが調べた所、なんとクリシスの奥深くには、恐らく建造途中から、破滅招来体がウィルスみたいなものを紛れ込ませていたのだ。という事は、地球の破滅、そして人類が消える事によってそれを免れると言う計算結果は、破滅招来体に作られたものであった可能性が出てきた。
 破滅招来体は恐らく、クリシスに破滅を予測させる事によって、人類を混乱させようとしていたのであろう。そして結果として、アグルという予想以上の収穫があった。ガイアとアグルの激突により生じたエネルギーは、雲の中に隠れていたワームホールの奥で、怪獣によって吸収されていたのである。

 そして、その怪獣ゾーリムは姿をあらわした。それを前にして立ち尽くす藤宮の所へ、我夢が来る。そして、クリシスの異常を伝える。全てを知った藤宮は、これまで自分が地球のためと思い、全てを捨ててやってきた事が破滅招来体によって仕組まれたものであった事に絶望する。
 「俺にはもう、守るべきものは何もない…」
 藤宮は、自らの持つ青い光を、我夢に渡し、炎の中に消えていった。
 「守りたいものなんて、いっぱいあるじゃないか!」
 青い光を吸収した我夢は、変身。ガイアは、アグルの力を得て、胸のプロテクターが黒い、ガイアV2へとヴァージョンアップした。なおもゾーリムに苦戦するガイアは、胸のプロテクターに秘められたアグルの力をも全解放、体の各所が青くなったスプリームヴァージョンとなり、怪獣を撃破した。

アグル復活
 こうして、藤宮は姿を消し、一人で戦う事となった我夢。ガイアは通常はV2で戦い、決着をつける時だけスプリームに変わって圧倒的な力を見せる。

 しばらくは破滅招来体の進攻は下火になり、関連性の薄い事件が起きたりしていたのだが、やがて藤宮の再登場と共に、話は進み始める。
 再び姿を現した藤宮は、自分のやった事への償いの道を探していた。人工的にワームホールを出現させ、爆弾を積んだ飛行機で突撃し、中の怪獣と心中しようとした藤宮に我夢は言う。そんな事で済むと思っているのか、君が死ねば済むのかと。だが、さらに藤宮の心を追い込む事件が起きる。
 各地で地中に地球怪獣がまだまだ眠っていると言う事は、調査によって判明していたのだが、GUARDの強硬派は、ある怪獣に対し、先制攻撃を仕掛けるべく、地中貫通弾という兵器を使おうとした。それは、眠っているだけの罪のない怪獣に危害を加えるだけではなく、周辺環境にまでも多大な影響を与えてしまうのである。藤宮は発射を阻止すべく活動するが、結局貫通弾は発射され、それを受けた怪獣は地表に現れ、人間への恨みに聞こえる泣き声を放ちながら死んでしまった。

 己の無力さを感じ、藤宮はもう自分を見失ってしまった。さまよい、疲れ果てた姿で我夢に保護された藤宮。しかしその目の前で、ワームホールから出現した怪獣Σズイグルによって、我夢は変身アイテムエスプレンダーを封じられ、怪獣の体内に閉じ込められてしまった。そのまま飛び立ち、ワームホールの中にへと我夢を連れ去っていこうとする怪獣。藤宮は心から願った。我夢を救いたい。力が欲しいと。
 そんな藤宮に、地球はもう一度手を差し伸べた。海から発せられた青い光を受け、藤宮は再び変身。ヴァージョンアップしたアグルV2となり、我夢を救出し怪獣を倒した。

 こうして、アグルは復活した。藤宮はこの後、人間への厳しい評価は変わらないものの、決してその滅亡を願う事はせず、地球の全ての生命を破滅から救うべく破滅招来体と戦っていくのである。
 アグルの復活後、戦いはいよいよ最終局面へと向かっていく。

地球はウルトラマンの星
 さて、なぜ破滅招来体の進攻と時を同じくして、地球怪獣も目覚め始めたのか。人間への警鐘を鳴らすと言う事もあったが、それだけでは全てに説明がつかず、重要なテーマとなっていたのだが、この頃になってそれも見えてくる。
 破滅魔人ブリッツブロッツ。アグルをも退けるその力に、ガイアも苦戦する。しかしその時、地中から現れた怪獣がガイアに加勢した。自らの命を投げ捨てて破滅魔人に向かっていった怪獣とガイア,GUARDが協力した事で、なんとか魔人を倒せた。もしかすると、地球怪獣は、破滅招来体と戦うために、地球の防衛本能によって目覚めてきたのかもしれない。そして我夢と藤宮はわかっていた。自分達のウルトラマンの力も、それと同様に、地球が自らを守るために生み出したものである事を。

 ついに、破滅招来体の意思を言語で明確に伝えるものがやって来た。東洋宗教の神を模したような姿をしたその魔人(死神と呼称される)は、玲子を人質に藤宮を呼び出す。
 死神は言う。
 「地球、いや人類は、宇宙のガンだ。人類は、自らの星の環境を破壊し、なおもそれに飽き足らず宇宙へと出て行こうとしている。このままではいずれ、他の星を脅かす存在になるかもしれない。『主』は、宇宙の星々のために、人類を消そうとしているのだ。青いウルトラマンにも、それを手伝って欲しい。」
 それに対し、玲子は言い放った。
 「自分が宇宙の支配者であるような顔して偉そうな事言ってるんじゃないわよ。悪い部分だからって、切り取ればそれでいいわけ?悪い部分とも上手くつきあって、良いものに変えようとしていくべきじゃないの。」
 その思いに完全に同調した藤宮はアグルの力で玲子を救出した。地表へ姿を現した死神は、ウルトラマンを差し出すよう人類に求め、破滅魔人の正体を現す。アグルは敗退してしまうが、ガイアとXIGの連携によって なんとか撃破した。

 そして、決戦の時は来た。
 地球の空を、突然、どこからわいてくるのかわからない、無数の巨大なイナゴのような生物(ドビシと呼ばれる)が覆い、光を遮ってしまった。光がなければ、やがてどうなるかは目に見えている(例:植物への影響)。加えて地上には、謎の怪人の幻影が徘徊し、人々の不安を一層煽る。さらにドビシには、電波を吸収してしまうという特性もあり、無線通信は完全に不可能となってしまった。しかしなぜか、テレビ放送に使われる周波数帯だけは無事であった。

 我夢と藤宮は、いよいよ決戦と感じ取り、ドビシを一掃すべく、変身する。KCBテレビのクルー(玲子含む)は、テレビのみ電波が生きている今、報道こそ自分達の使命と考え、戦いを中継する。ウルトラマンに対し、多数のドビシが結集し、巨大な怪獣体となって襲いかかる。それを打ち倒すウルトラマン。しかしドビシは無数に存在するので、怪獣を倒しても倒してもまたすぐに新たに結集して新たな怪獣が現れる。きりのない戦いに、ついにウルトラマンの力は尽きようとしていた。
 その時、目の前に、天空から、神々しい光を放つ、巨大な白い天使のようなものが降臨してきた。怪獣を一瞬で消し去った天使(ゾグと呼称)は、ウルトラマンにもエネルギーを与え、カラータイマーは青に戻る。これこそ最後の奇跡か、と思った次の瞬間、天使の攻撃がウルトラマンに向けられた。それに対し、全く歯が立たないウルトラマン。相手の体力を回復させた上での絶対的粉砕が、天使の狙いであったのだ。ついに倒れたウルトラマン。ゾグはウルトラマンから光を吸収、2人は人間の姿に戻ってしまった。そしてその敗北の光景、倒れた我夢と藤宮の姿までも、KCBのカメラによってしっかりと全世界に中継されてしまっていたのである。

 テレビ電波だけ生かしておいたのも、全ては破滅招来体の作戦であったのだ。神のように思っていたウルトラマンが、実は人間であった事、そして今やその力がなくなってしまった事を知ってしまった人間達は絶望した。GUARDの上層部からさえ、破滅招来体への全面降伏=命乞いをすべきという主張まで出てきた。
 だが、人々の心が暗く沈んでいた時、世界各地で一斉に地球怪獣が姿を現した。そしてドビシに対し攻撃を開始したのである。今こそ地球に生きる全てのものが協力する時。大学の仲間達によって救われ励まされた我夢、稲森博士の魂の声を聞いた藤宮は、プロノーン・カラモスからクリシスにアクセス、「ニュートリノ」による通信を発動させる。これは、地球を貫いて通信できるので、ドビシの影響を受けない。世界のGUARDとアルケミースターズは、この地球自身を媒介とした通信で再びつながった。最後まであきらめない2人の青年の姿は、KCBによって全世界に中継されていた。

 アルケミースターズは、今この時のために自分達天才が生まれてきたのだと感じ、XIGに最終作戦を提案。それは、戦闘機XIGファイターから特殊なフィールドを発生させ、地球怪獣から発せられるエネルギーを反射、アルケミースターズの計算のもと方向を調整し、東京のある一点、地球の「気」が集中しており、かつてガイアが誕生した地へと集め、そのエネルギーを我夢と藤宮に浴びせ再び変身させるというものだった。

 こうして、最終作戦、コードネーム「GAIA」は決行された。各地でドビシと戦っていた怪獣達は、人間の作戦を理解したのか、自らエネルギーをファイターに向けて照射する。それが反射され、東京に集まっていく。待ち構えていた我夢と藤宮に降り注ぐ光。テレビ中継を通して全世界の人々が見守る中、2人はついに変身した。
 地球の全ての力を受け再生したガイアとアグルの力は、それまでの比ではなく、計り知れない数のドビシを一気に消滅させ、青空を取り戻した。そして天空から再び舞い下りてきた天使ゾグをも、全く寄せ付けない。ついにゾグは真の姿を現し、ウルトラマンの10倍を優に超える超巨大な破壊獣となった。しかしそれにひるむウルトラマンではない。2人の合体光線が破壊獣を完全に打ち砕いた。

 こうして、戦いは終わった。がっしりと握手を交わすガイアとアグル。KCBも、最高の中継に胸を張った。人々は歓喜の声を上げるのだった。
 しばらく後、これまでにない晴れ晴れとした顔で、一人旅立って行く藤宮。そして我夢は、大学に戻り、自分の研究を再開するのだった。

 これで破滅招来体の活動が終わったのかどうかは、誰にもわからない。しかし、再び攻撃がなされても、地球が滅亡することはないだろう。地球には、人間が、他の生き物達が、怪獣達が、そしてウルトラマンがいる。破滅招来体になんか、負ける筈がない。しかし、人間もまた、今の状態に甘んじる事なく、変わっていかねばなるまい。地球は人間を見放さずに、チャンスを与えてくれたのだから…

 と言う事で、これにてひとまず平成ウルトラマン3部作は完結した。昔と比べて、全然設定の違うこれらを果たしてウルトラマンと言っていいのかという異論もある。みんながみんなセブン的なものを作るのではなく、単純明解に怪獣に対処するエンターテイメントの初代マン的なものを望む声も(特に昔のヒーローを好きな層には)あるのではあるが、しかし作品としては素晴らしい物だったのは多くの人が認める所である。
 特にガイアでは、ティガ初期では違和感のあったCGもだいぶ技術が向上して自然な感じになっていたし、登場人物の人間ドラマもよく作り込まれかつわかりやすく、設定も複雑でありながら理路整然に出来ており、面白かった。まさに円谷プロがその力を見せ付けたと言った感じであった。この暗い世の中において、それでも未来への希望、人間の可能性をしっかり描いた平成ウルトラマン、個人的にはエヴァンゲリオンなんかよりよっぽど見る価値があると思う。

 でもね、これで終わっておけば良かったものを…あえて苦言を付け加えるが、最近の円谷の悪い癖が出てしまった。つい先日、一年後を描いたオリジナルビデオが出てしまったのである。また破滅招来体の怪獣も出て、地球怪獣関連の問題も起こり、当然2人も変身したり。終わった後の話は、下手に描かずに、各人の想像に任せるべきだと思うのになぁ。最近はセブンのOVもしかり、ティガの映画もしかり、後になってとってつけたような続編を作ってしまう。名が通った作品なら商品として売れやすいのはわかるが、安易な感が否めないのである。ちなみに私はセブンの最終話もガイアの最終話も気に入っているので、下手に壊したくないのでOVは見ていない。

 そして、引き続き、最後に、劇場版について述べようと思う。

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